国立新美術館「スーベニアフロムトーキョー」

六本木にある国立新美術館へ出張の際に立ち寄りました。 設計は、皆様ご存知の黒川 紀章 氏によるものです。 緑と違和感なく存在する外観は圧巻でした。

 

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観覧目的ではなく、中にあるミュージアムショップ 「スーベニアフロム東京」がお目当てです。 只のミュージアムショップと思う無かれ、クリエイティブ ディレクターの佐藤 可士和氏がロゴデザインを手掛け、 ブックディレクターにBACH(バッハ)の幅 允孝氏といった、 カテゴリーごとにディレクション担当を決めているため、 商品構成が非常にユニークです。

漫画やプラモデルからアクセサリー等の他、若手の デザイナーの製品もあったりと、ジャンル問わない セレクトで、東京カルチャーの縮図のような 店内は見ごたえ十分でした。

下は思わず、衝動買いをした「パイプロイドシリーズ」。 なんと、2007年にグットデザイン賞をとってます。 数本のストローのようなパーツを切ってつなげていくだけで、 写真のようなキャラクターが組みあがります。

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 仕事柄、展覧会などに行く機会が多いのですが、 札幌の美術館でも、魅力的な展示企画だけでなく、 こういったミュージアムショップから情報を発信 できるようになると、札幌のアートシーンも活気が 出てくるのではと感じました。 皆様、今後に期待しましょう。

 

最後に入荷したばかりのゴミ箱「トラッシュ」を紹介します。

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今ならサイズ違いで、各色揃っているので、 気になる方はお早めにどうぞ!

 

 

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切子新作

気温のアップダウンが激しい札幌ですが、本日は23℃まで上がるそうです。 そんな初夏にふさわしい新作が続々入荷中です。 571.jpg 572.jpg 今日も一日爽やかに参りましょう! 皆様、是非遊びにきてください。]]>

チャールズ・イームズ写真展

前回の紹介したバウハウス展に引き続き、イームズ展も観覧してきました。 axis.jpg 場所は六本木にあるAXISギャラリーです。

 

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吹き抜けにあった、この階段!! 雰囲気ありますね。 「How High The Moon」をデザインした巨匠、倉俣史朗氏。 建物自体に今の新しさは感じませんが、さすがデザインギャラリーの先駆けと 言われたAXISビルです。細部に渡ってこだわりを感じさせます。

 

チャールズ・イームズ生誕100周年記念とイベントなのですが、 チャールズの写真と言葉が各100点のパネルによって紹介しており、 対になった写真をみると氏の言葉が心に染み入るようでした。

 

中には「私ができることを彼女(レイ)はもっと上手にやってのける。」 といったチャールズとレイと二人のエピソードも感じられる一言もありました。 二人の関係性が良くわかります。

 

チャールズが撮影したフィルムの上映もありました。 テーマは、名機SX-70(ポラロイドカメラ)を手に取り撮影している 様々な国の人々です。カメラを手に取る人々の表情が生き生きとしていて、 言葉の壁を越えたところにある万国共通の楽しさが伝わってくる内容でした。

 

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左は来店者特典のイームズ100言です。 なんと日本語・英語・中国語の3カ国語に対応してます。

右がSX-70です。1972年に販売していたモデルで、現在でも根強い人気を誇ります。 折りたたむと下のようにスリムになります。 当時としては画期的なデザインと機能性をもっています。

 

pyoko.jpg 最後にチャールズの言葉で,これだと感じたものを紹介します。

 

「できる限り質の高いものを、多くの人が安価に手にいれられるようにしたかった。」 by CHARLES EAMES この言葉はメトロクスの考えに非常に合致しています。 今日まで残っている名作と呼ばれるデザインには、 デザイナーは違えど同様の理念を感じます。

 

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バウハウス展

先週まで東京に出張に行ってまいりました。 各社取引先に伺ってきたのですが、そんな中なんとか時間を調整し、 上野にある芸大で開催中の「バウハウス・デッサウ 展」を観覧しました。

 

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わずか1919年~1933年までの14年間の期間で幕を閉じた 教育研究機関のバウハウス。ドイツのヴァイマールでヴァルター・グロピウスによって 設立されたバウハウスですが、社会体制の不安定な中で移転を余儀なくされるが、 当時、航空機産業が活発で経済的にも余裕があった文化都市デッサウに移転し、 もっとも充実した7年間(1925年~32年)にスポットを当てています。

 

ナチス体制下の激動の中で数々の実験的試みは、歴史物としても大変面白く、 パウル・クレーなど著名なマイスターが、学生たちとの実験的取り組んだ作品を展示したりと、 バウハウス独自の授業風景も、垣間見える内容で非常に愉しめました。

 

注目したのが、オランダから始まったデ・スタイルの運動の作品紹介です。 基本原理(水平・垂直・大小・明暗)を色によって使い分けており、カンディンスキーや クレーに師事していたマックス・ビルの「15のバリエーション」にも共通の原理を採用 しているのを発見した時は、なんだか嬉しくなりました。

 

なんといっても目玉は、グロピウス自身の設計の校舎の模型や 校長室の再現です。なんと実際に足を踏み入れることも可能でした。

もちろん図録もGetしてきました。 なんと700ページ以上もあります、展示内容のボリュームの一端が伺えますね。 7/21日まで開催しており、その後、静岡や新潟を巡回しますが、 残念ながら札幌での開催はないようです。 興味を持った方は、まだ期間があるので、観覧してみてください。

b1.jpg さて札幌店にもマックスビルのポスター以外にも、 そんなバウハウスの理念を感じさせる製品があります。

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左の時計は「BRAUN」 ABW31 です、 シンプルかつ見やすさを追求したデザイン。 右の椅子はウィルクハーンのソリスです。 ネジ穴が一切見えない構造やアルミの削り出しの 精度の高さが売りのワークチェアです。

両者ともバウハウスのテイストが感じることができます。 札幌店で実際に展示してますので、是非、ドイツデザインの 機能美に触れてみてください。

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リ・デザインという思想

「リ・デザイン」プロダクトをはじめデザインに携わる方は 聞きなれた言葉かと思いますが、一つのデザインや構造をより 進化したものに作り変えていく考えをさして言います。 あっ、今日はちょっとデザインについてまじめな? 話しをしていきたいと思います! (※長くなるかもしれませんがお付き合いください) 実は、世の中のプロダクト製品の多くは過去の名作から ヒントを得て作られたものが多いのです。 5641.jpg このパーシモンチェアもそれに該当します。 デザイナー長大作さんの長年のライフワークでもある (本人がおっしゃっていました)小椅子シリーズのひとつ。 この椅子の基となったのは何だと思いますか?実は、プルーヴェのスタンダードチェアなんです。 このスタンダードチェアは、建築の鉄骨構造を応用して作られたもので、後ろ脚の形状が側面から見ると三角形を描いているのが特徴です。 もともと坂倉建築研究所に所属していた長さんはプルーヴェとも親交があった坂倉準三さんの作った小椅子第1号(1947年に脚部を木造で製作したもの)をもとに試行錯誤を始めます。そして半世紀以上に渡り、数々の小椅子たちが誕生しました。そして現在、このパーシモンチェアへと進化をとげた訳ですが、そう考えると、ものからものへとその時代に生きた先駆者の思想が受け継がれているんだと改めて歴史を感じます。 その時代にあった素材、技術を最大限に生かし、またコストをいかに控えて良質なものを作るか?  長さんは日々アイデアを考ていたと言います。 そのアイデアの一つが、1960年に採用となったラケット構造です。 この三角形(こま)部分↓(見えますか?) 565.jpg 言葉通り、テニスラケットの構造なんですが、ある日テニスラケットを見た長さんはこの構造を家具にも応用できないかと当時、天童木工の工場長に相談して生まれたという秘話があります。しかも成型合板の家具工法としては先駆けとなった椅子でもあるんですよ! 5601.jpg 5591.jpg  裏もこの通り、強度に耐えれる構造となっています。 そして長さんとMETROCSダブルネームのプレートが付いているのも特徴です。 このパーシモンチェアが製品となり店頭に並ぶまでは本当に何度も何度も長さんや工場と打ち合わせをし、試作を重ねています。 現代は、トレンドの移り変わりの速さに合わせたもの作りがあたりまえになっていますが、この椅子の製作にあたり毎日のようにMETROCSに足を運び一つ一つ熟考して決めていく長さんの仕事を知り、頭が下がるとともに商業的側面ばかりを追う世の中の流れに疑問を持たずにはいられません。 そんな長さんにまつわるエピソードはまだまだあるので 次回をお楽しみに! (やはり長くなってしまいました・・) 562.jpg おまけ。札幌は今ライラックがきれいに咲いています。]]>