うるしろうそく

こんにちは、スタッフの内藤です。
みなさん、いかがお過ごしですか。

北海道の夏も後半に差し掛かりました。
今年は比較的過ごしやすい日が多く、昨年のような夏バテは経験せずに済みそうです。この涼しさのせいと言うべきかお陰と言うべきか、我が家のエアコン購入はまた来年まで持ち越しとなりました…。

さて今日は8月13日、盆の入りです。この時期になるとメトロクス札幌の店頭には毎年こちらの商品が並びます。七尾和ろうそくの老舗、高澤ろうそく店の「うるしろうそく」をご紹介します。

1982年(明治25年)に創業し、能登七尾でろうそくを作り続けている高澤ろうそく。江戸から明治にかけ北前船の寄港地として栄えた七尾の地は、各地から原料が集まり出来上がったろうそくを運ぶことができたことから、かつてろうそくの生産が盛んに行われていました。創業以来100年以上を経て、現在では石川県で七尾和ろうそくを作っているのは高澤ろうそく1軒のみ。伝統を守りながらも、現在の暮らしに寄り添うろうそくにまつわる様々なプロダクトを手掛けています。

この「うるしろうそく」はその名の通り、漆を材料に作られたろうそくです。正確には漆の実を使っています。高澤ろうそく店のある能登半島は輪島塗りで有名ですが、現在国産の漆はほとんど取れなくなってしまっているのが現状です。輪島でも漆の木を植樹して地元産漆の復活に向けて動いていますが、十分な量が採れるようになるのはまだ先。この動きを少しでも支援するために、ろうそくの原料にもなる漆の実を高澤ろうそく店が買い取り、ろうそくにしたのがこの「うるしろうそく」なのです。

和ろうそくは筒状にした和紙の芯に、灯芯(い草の表皮を取ったスポンジ状の部分)を手巻きしてひとつひとつ作られます。この芯は先まで空洞になっており、吸い上げたロウと酸素が常に供給されることによって明るく力強い炎がうまれるのです。和ろうそくの炎が風がない時に揺れるのは、こうして芯から空気が流れることによって起きる現象です。さらに植物性の和ろうそくは西洋ろうそくに比べて煤(すす)が出にくく、溶けたロウが垂れにくいのも特徴です。写真は火を灯してから5分程経過していますが、全くロウ垂れしていないことがお分かりいただけると思います。炎が大きいにもかかわらず安定して直立し燃え尽きるその特徴は、西洋ろうそくにはない和ろうそくの強みでありいちばんの魅力ではないでしょうか。また和ろうそくにはアロマキャンドルなどと違って香りがありません。なので食事の際にも、匂いや汚れを気にする必要がなくおすすめです。

1本の燃焼時間は約50分。漆の実が描かれた和紙で1本ずつ包まれています。雰囲気のある活版印刷の紙箱入りなのでプレゼントにもおすすめです。

同封されているリーフレットには英文の記載もあるので、海外の方へのプレゼントにも良さそうですね。

「日本の漆文化に協力していきたい」という思いから生まれる高澤ろうそくの「うるしろうそく」。橙色のあたたかみある炎は本当に美しく、時間を忘れてうっとり眺めてしまいます。お好きなお香やお茶をお供に、心安らぐ時間をどうぞお楽しみください。江別店に展示がございますのでぜひ店頭でご覧ください。お待ちしています。

高澤ろうそく店 うるしろうそく ¥2,090(税込)

それでは次回のブログもお楽しみに。
みなさん、どうぞ素敵な秋をお迎えください。